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2006.2.8
ゴルフの規則は何んとしても難何物である
 

■原本
大谷光明『ゴルフ規則の註釋と判例』
・発行=昭和10年6月5日
・発行所=目黒書店
・ 菊判318頁 索引16頁 日本ゴルフ聯盟「ゴルフ規則」付(47頁)/定価=3円80銭
・国立国会図書館にて閲覧可能

原本写真1

本書で解説されるルールは1933年に「セント・アンドリュースのローヤル・エンド・エンシェント・ゴルフ倶楽部」が定めたものだ

■著者
 明治18年(1885年)〜昭和36年(1961年)。

 京都西本願寺第21代大谷光尊門主の三男として生まれ、明治40年(1907年)、英国に留学。

 3年間に30〜40ラウンドプレーしたが、「当時は血気盛んで甚だ物足りなかったが、西洋人のする事なら出来ないのは癪だから始めた」と語っていた。

 ゴルファーの草分けの一人として、わが国のゴルフの普及に多大の貢献を果たした。

原本写真2
『Etiquette』は、今でこそ「エチケット」で通用するが、当時は「何のことやら?」という人もおり、

「ゴルフ競技に関する道義」「ゴルフ競技の禮儀」「ゴルフ競技中の禮儀作法」等々、色々工夫して翻訳されていた。

 しかし同氏は「ゴルフ道作法清規」と訳している。時代背景が偲ばれて面白い

■解説
 目黒書店の雑誌「ゴルフ」(昭和8年9月号〜9年12月号)に連載した「ゴルフルール註釋」を増補した1冊。氏の多年にわたるゴルフルール研究の集大成といえる。

 本書は1933年9月26日改正、1934年1月1日施行の規則についての逐条解説と裁定を収録したもの。

『自序』  大谷光明

 ゴルフの規則は何んとしても難何物である。

其聲(こえ)を聞くや年既に久しと云ふ程の大袈裟でもないが、事件が起れば甲論乙駁(ばく)倶樂部の夕は甚だ活氣を呈する。

法學者の説く所に依れば、英國の法律は總て古來よりの慣習を成文化したまでとの事である。英國で出來たゴルフ法も矢張りそれなのであらう。

故に斯(しか)る場合には斯樣(かよう)にすると習慣的に覺えてる事は何んでもないが、之迄になかつた事件が何にか一つ起ると甚だしく難關に逢着する。

勿論之を規則に照しては見るものの規則の條文は大味に出來てるから、其事件は合法非合法何れの方にでも考へ得られて始末が惡い。

従つて世界中のゴルフ倶樂部から此規則の制定者である英國セント・アンドリユースに疑問の諸點(てん)をば問合せて其判定を求めるのも蓋し當然(とうぜん)の歸趨(きすう)で、亦事實此判定なるものが判例として存在するので漸く規則の不備を補足してる觀がないでもない。

之が規則を讀んだだけでは埓のあかぬ次第であり、規則が難物と稱(しよう)せられる所以だと思ふ。

ところで判例なるものは隨時發せられるものであり、規則それ自身も數度の改訂を經たのであるから、判例も或る程度の參考には成り得ても總てが解釋の指針たるわけにならぬ。

然し何んとしても此判例は甚だ重要なものであり、此註解を書くにしても絶對的に必要のものであつた。

[続]
続きは2月22日(水)更新予定です。
監修・文/鈴木康之
資料・文/森口靜彦
*隔月刊誌チョイス 2005 No.148より


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