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2005.10.05
上手いgolfer、下手なgolfer
 

■原本
山野卯三郎訳『ゴルフの繪とき』
・発行=昭和6年6月1日
・発行所=ゴルフドム刊行會
・A6判205頁 索引2頁/定価=1円80銭
・革表紙
・国立国会図書館にて閲覧可能

原本写真1

■訳者
 ゴルフドム刊行會の創業者・伊藤長蔵のペンネーム。明治20年(1887年)〜昭和25年(1950年)。
 伊藤は本名のほか、草上來太郎、好雲堂、草場丘人などのペンネームを使い分けていたが、本書と『パッチングの解説』(昭和7年、ゴルフドム刊行會)は山野卯三郎の名で書いた。

原本写真2

訳者の伊藤長蔵は、日本語で書かれた初のゴルフ誌「阪神ゴルフ」の創刊者、そして廣野GC造成の現場責任者としても知られている

■解説
  H.B.Martinの『Pictorial Golf』を翻訳したもの。ゴルフの要領を簡単に図解した文献としては、岸敬二郎『娯留夫圖説』(大正7年11月発行)があるが、これは英文で記載され、かつ私家版であった。『ゴルフの繪とき』は市販された邦文によるゴルフの図解の第1号である。

「左の拇指はclubの側面を握る可し」等、52項目にわたって、具体的に解説されている。

 昭和初期のトップアマ、新田恭一(武蔵野カンツリー倶楽部会員)は「今迄の本は誰でも知っていることだけしか書いていないが、Martinの 『Pictorial Golf』は一番わかりやすい良い本だと思う」といっている。

原本写真3原本写真5

上:原著「ピクトリアルゴルフ」
下:日本版
原著には日本版にはないおしゃれな飾りイラストがあったことがわかる
原本写真6

原本写真4

『ゴルフの繪とき』  山野卯三郎 訳
GETTING THE  BODY IN TOO SOON


初心者或は普通のplayerが球を打つ際に身體(からだ)を餘り早く入れ過ぎる爲めにsliceや球を右の方へ押し付ける結果となるのである。

Pro.は此缺點(けってん)を教へるけれども容易に會得するものに非ず。之れは球を強く打たんとする爲めに失策をなすものでclubheadが完全に働く迄辛抱して身體を入れるのを待つ事は恐らく十人に一人も無いであらう。

 之れに關(かん)し上記の圖で御説明申上げんに今一人のplayerが石垣の側に立つて居る。其人は其位置より左に身體を動す事を不得、其結果身體はclubより先へ出でず、完全にclubが働くものである。

勿論之れは考へとして申上たので實行せよとは申上げないので有る。とは雖(いえど)もshotの眞髓を知る事を可得、身體がclubより先へ出ぬswingを會得さるる事は有効で有る。

圖解
上 Golferがiron playの練習に當りて此考へを以てなす可し。
下 Golfer普通の失策はshotに當り身體を早く入れ過ぎる事で有る。


ROUGHING IT

上手と下手とに不拘(かかわらず)rough(ラフ)から球を出す事は不安の程度は同一である。

若し下手なgolferがroughの刈ら無い伸びた草の内から球を出す時には大抵數strokesを失策する。

下手なGolferは半ば不安な氣持で急いでshotをなすから時として一層難しい所に球を入れるが、上手なGolferは注意深く球のlieを調べて出す工風をなす處に異なりたる點が有る。

古いスコットランドの言葉に「球を出來るだけ安全に出せ」と云ふ事が有るが、roughから球を出す爲めに犠牲的にone stroke使ふ事は、match playに於てone holeをmedal playにて數strokesをsaveするものである。

最良の方法は正確に球を打つことで之れには球に直接に打下し出來るだけ早くclubを上に上げる事である。

此圖に有るものは寫眞より取りたるもので此shotは短距離約五十五ヤードで球はpinに近く止まつた。

圖解
之れは實際の冩眞(しゃしん)より取りたるもので、圖の示す如くclubは急角度に下降し且つ急角度に上騰されて居る。

[了]
監修・文/鈴木康之
資料・文/森口靜彦
*隔月刊誌チョイス 2005 No.148より


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