ゴルフの図書館

名手・達人の言葉

No.167

2008.1.30

頻繁に林の中にいたので、狩猟許可証を携帯しようと思っていたよ。 ウォルター・ヘーゲン

 こんなジョークを飛ばしたのは、稀代の“洒落男”ヘーゲンである。

 ヘーゲンはメジャータイトルを11も獲っていて、歴代3位の位置を占めているのだが、そのスウィングの華麗さ、素晴らしさを褒めそやす人は少ない。

 広すぎるスタンス、フィニッシュは右肩が突っ込んでスウェイしていて、当時の新鋭でライバル、後に球聖と呼ばれる、ボービー・ジョーンズの流麗なスウィングと比較するべくもなく不恰好であった。

 しかし、だ。スウィングがどうあれ、賞金のかかった試合、どうしても勝つと決めたメジャーの試合では勝ってしまうのだ。

 ドライバーショットはスウィングに忠実で?! 大いにひん曲がる。表題の「言葉」はそんなショットの曲がりを自嘲的に言ったものだった。

 なぜそんなに強かったか? その時代の誰もが認めていたのが、類い稀なる“集中力”であったといわれている。

 ドライバーショットを林の中に打ち込んでも、そこからまるで鬼人が乗り移ったようにピンに絡めてきて、相手を戦意喪失させるのであった。

 マッチプレーの鬼といわれる所以であり、お洒落で、試合をスリリングに“魅せる”プロでもあった。

 プライドが高く、その頃は“使用人”の位置でしかなかったプロゴルファーの地位を高め、今のトーナメント隆盛の礎をつくった恩人であるというべきであろう。

■ウォルター・ヘーゲン(1892〜1969年)
ツアーだけで生計を立てた最初の人。そういう意味でプロゴルファーの地位を高めたと評価されている。真っ白なロールスロイス、白いタキシード姿で現れ、車で着替えしたのは、当時ハウスに入れなかったプロの地位への反抗だったのだろう。ゴルフのスキルは天才的で「ピアニストのタッチと、金庫破りのデリケートを持った男」と評され、一世を風靡した。全英オープン4回、全米オープン2回、全米プロ5回制覇。ボビー・ジョーンズとはまた違う次元で、ゴルフ史に大きくその名を残している。

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