ゴルフの図書館

名手・達人の言葉

No.162

2007.12.19

ゴルフでは最も簡単なことが、最も難しい。それは「脱力しろ」と「ゆっくり振れ」の2つのセオリーだ。 ヘンリー・コットン

 ヘンリー・コットンといえば、生前の翁に会ってレッスンを受けたことがあるというのが、筆者の自慢のひとつである。

 1976年、スペイン・アンダルシア地方のゴルフ場取材の折り、あるコースから乞われ、メンバー達にレッスンをしていた翁に会えたのである。

 その時受けたのが、“古タイヤ叩き”練習法だった。クラブのヘッドをカットして、シャフトだけのクラブで古タイヤを叩くのである。

 そうすると、脱力、つまり力を抜いて打てばスウィングスピードは速くなるということが実感できるということだった。

「力を抜いて打ちなさいといっても、頭で理解しただけでは出来るものではありません。力を抜いて脱力すれば、シャフトを早く振ることができると、体が覚えるまでタイヤを叩きなさい」と、翁。

 全英オープン3回も勝った偉大なプロの言うことにみんな、深くうなづいたものだった。

 力を抜いて、ゆっくり振ったほうがヘッドは走るし、ナイスショットになるとは、頭で判かっていても、身体はそうではない。考えてることと逆々になっていくのがゴルフの不可思議なところなのである。

 身体に判らせるには、気の遠くなるような反復練習をして、獲得していくしかない。

 全英オープンに3回勝ち、当時優勢だったアメリカ勢から栄光を取り戻し、故国イギリスの英雄となった人のいうことだから、間違いはない。

■ヘンリー・コットン(1907〜1987年)
1907年英国生まれ。14歳で英国アマに優勝して、天才少年と呼ばれ、17歳でプロ転向。34年、全英オープンに優勝し、故国のヒーローに。37年、48年も優勝。晩年はスペインに住み、同国のゴルフ普及に貢献した。

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