ゴルフの図書館

名手・達人の言葉

No.156

2007.11.7

歌いながら、優れた名言・格言には、百冊の本を凌ぐ力がある。 トミー・アーロン

 トミー・アーロンは一言でいえば、地味な選手だった。

 実力はあっていつの間にか上位にいて、優勝争いには加わるのだが、肝心の優勝には届かない。

 首位に届いたところで、プレーオフになったら負けてしまう。

 プレーオフは4回経験していて、全部負けているのは、米ツアーでの記録である。何とも不名誉な記録ではある。

 競馬でいえば“勝ち味が遅い”、そんなイメージであった。

 ついたニックネームは「花嫁の介添え人」。温厚で、誰からも慕われる人柄。つまり勝負師にはいちばん不向きな性格であったと思われる。

 しかしそんなアーロンだが、ツアー2勝のうちの1勝はメジャーの、それもメジャーの中でもいちばん華やかなマスターズなのである。

 この勝利によってアーロンの残した表題の「言葉」は燦然と輝くことになる。

「言葉」に重みがつくのは何といっても、その人のバックボーンなのだから。

 だからこそ、このコラムは毎週チェックすべし!

 それにしても“地味”なことが、記憶に残るという稀有な存在ではある。

 また、余談だが、マスコミ向けに出されるツアーのガイドブックでのプロフィール紹介には、アーロンは必ずいちばん最初のページに掲載され、これは目立っていた。

 アルファベット順であるので、アーロンの綴り、AARONでAAが続くのだから、これは無敵!? であったろう。

■トミー・アーロン(1937〜)
米国ジョージア州生まれ。1960年、フロリダ大学卒業。その翌年から米ツアー参戦。ツアーでは2勝しかしていないが、そのうち1勝はマスターズ(73年)。プレーオフにめっぽう弱く、4戦0勝、つまり1回も勝てずに、いつしか「花嫁の介添え人」とのニックネームがついたほど。これは米ツアーでの記録である。87年、シニアツアー(現チャンピオンズツアー)入り。1勝をあげている。ツアー以外の勝利数4勝。

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