|
プレー中は無駄話は一切しない中部だったが、
酒場で酒が進むにつれて、ゴルフ談義になってくると、
中部にはいくつかの口癖があった。
冒頭の言葉もそのうちの一つである。
よくTVでのトーナメント中継で、
「このパットは大事ですね」
「このショットが勝敗を決めますよ」とか、
アナ氏や解説者がよくいう。
特に最終日、中継ホールの後半、
16、17、18番になってくると、
こんな解説のオンパレードになる。
そんな話が話題になると、
「一体、大事ではない1打ってないですよ。
初日の1打も最終日の1打も
同じワンストロークという価値では同じです」
と、中部は述懐するのだった。
だから、中部にとっては、日本アマでも、
筆者のようなアベレージとラウンドするときでも
プレーする姿勢は同じだった。
「大きな試合とか遊びのラウンドとか、
大事なショットかどうでもいいショットとか
区別すること自体が、ゴルフをおとしめることになります。
どんな試合でも、どんなショットでも価値は同じです。
1回でも手抜きをすると、それが負い目になって
次の同じ状況では失敗することにもなってきます」
数々の箴言を遺してくれた中部銀次郎の、
今年は7回忌にあたる。
|