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帝王ニクラスは、現在のパワーゴルフの祖といっていい。
しかし、パワーだけで帝王の座についたのはない。
類稀なショットの精緻性がなければ、
ゴルフも含めたオールスポーツの20世紀最高のアスリートと
呼ばれるわけがないのだ。
二クラスのそんな技術の元が集中力であり、
イメージ力であったのだと思う。
「まずボールをどこに落としたいか、イメージする。
次にボールが思い定めたところへ飛んでいくところ、
地面に落ちるところを思い描く。
最後にそのボールを打てる
スウィングをしているところを想像する」
と帝王。
筆者は全盛時代のそんな二クラスをみたことがある。
ところは80年代始め、
マスターズのおこなわれる
オーガスタ・ナショナルGCの練習場。
当時の専属キャディ、アンジェロは
ボールの落下地点に、カゴを持って立つ。
アンジェロはいくぶんおどけた様子で、
二クラスが放つボールをワンバウンドで拾うわけだ。
それ自体も絵になったが、驚いたのはドライバーショットで、
アンジェロは立ったまま、手を左右に動かすくらいだったってことだ。
ドライバーショットで
約1メートルの誤差で打っていける正確性!
何もトリックショットをやったわけではなく、
練習の仕上げで、マイボールの回収のためおこなったのだが、
図らずもこの時、帝王は冒頭の言葉どうりのことを
やっていたのだろうと思う。
帝王の矜持を見せつけられた瞬間だった。
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