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これだけではむろん、分からない。
シチュエーションはこうだ。
時は1991年、ベセスダCCで行われた全米女子プロ選手権。
優勝はメグ・マローン。
岡本は1打差で2位に沈んだ。
89年での同大会でも2位。
87年には全米女子オープンでは、
3人のプレーオフで破れ去っている。
しかし、その年は賞金女王の座に輝いている。
つまり、岡本はメジャーにいつ勝ってもおかしくないし、
また勝つことは必然だと思われていた頃の話である。
91年の全米プロに話を戻すと、最終日、最終ホール、
岡本は4メートルのパットを残していた。
これを入れると、マローンに並び、
プレーオフに持ち込むことができる。
岡本は打った瞬間、
入ったという顔をしてカップを見つめたが、
しかしボールは無情にもカップの右縁に外れた。
「完璧に打てたの。入ったと思った」
という岡本はなぜ外れたか、納得がいかないまま、
会場を後にした。
が、ステアリングを握りながら
岡本はUターンすることになる。
そして再び、18番グリーンで
さっきと同じ4メートルを打って、
やっと完璧に打てたパットがなぜ外れたか、
納得するに至るのである。
カップの10センチほど前に、1本の強い芝芽があって、
それがボールの転がりをわずかに右に変えてしまったのだ。
わずか1本の芝芽が勝負の明暗を分けたのである。
その後、岡本はメジャータイトルに手が届くことはなかった。
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