|
身長162cm、体重60kgの小兵であった杉原は飛距離が出なかった。
だからコースを利用して飛ばす工夫をつねづね怠らなかった。
冒頭の言葉はそんな工夫の一端を紹介したものである。
フェアウェイは芝を刈る時、縦に半分にして交互に刈っていく。
ティグラウンドからグリーン方向に刈った部分は順目となり、
反対にグリーンからティに刈ってくれば逆目となることは
ご理解いただけるだろう。
そして太陽が出ていれば順目の部分は光を反射して白く光る。
この部分にテイショットすればランによって飛距離が稼げると、
杉原はいったわけだ。
夏の芝など20ヤード近く違ってくるだろう。
瑣末なことをという人もいるだろうが、しかし大事なことは、
この言葉に象徴されるように、「負」を「正」に変える工夫を
それこそ死ぬほど杉原は考えていた、ということであろう。
その思考がパワー不足を補って、あまりあるショットの正確性と、
「グリーンの魔術師」と呼ばれたほど
抜きん出た小技のスキルをつくりあげたのである。
60年代から80年代の長きにわたって、ツアー界に特異な存在感を示した。
レギュラツアーで54勝、永久シードも手にいれている。
現在、前立腺ガンと闘いながらもレギュラーツアーにこだわり続けている。
|