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今回の登場はゴルファーではなく、 あの米国野球界伝説のナンバーワン・ヒーロー、ベーブ・ルースである。 天性のホームランバッターであった彼は、ゴルフでも豪快な飛ばし屋であった。 そのルースが野球とゴルフの違いをみごとに言い当てている言葉がこれだ。
次のエピソードからも、ルースがなぜこの言葉を遺したのかがうかがい知れる。
安打製造機といわれたタイ・カップが、ルースにゴルフでの挑戦状を叩きつけた。 腕前はルースが断然上。 ほとんど70台でまわるシングルプレーヤーのルースに対して、 カップは80台であった。
プレースタイルも野球と同じで、 豪快にかっ飛ばすルースと小技が得意なカップと好対照。 試合形式は3試合18ホールのマッチプレーで、2試合をとれば勝ち。
マスコミはやんやと、はやしたてた。 スコアでは敵わないカップがとった作戦は「心理戦」であった。 野球でもカップはルースを野次ってカッカさせ、 ホームランボールを凡打にしたことは数多くあったのだ。
「グリーンで先に長いパットを決めればルースは動揺する。 ドライバーでは張り合わず、2打目を先に乗せる」。
この作戦で1試合目、カップの勝ち。 しかし、2試合目は挑発に乗らずルースがとる。
いよいよ3試合目。 カップは2試合目まで難しいショートパットは、すべてコンシード(OK)にしていた。
ところが3試合目ではどんなに短いパットでもOKを出さなかったカップに、 ルースは怒り狂って自滅してしまったのである。 カップは友人のマッチの鬼、ウォルター・ヘーゲンからこのアドバイスを受けていた。
結果、腕前では劣るカップの圧勝に終わったのである。 「ルースほど飾り気のない素直な男はいなかった」。
だからこそスーパーヒーローになれたのであるが、 この試合からでも冒頭のルースの言葉が漏れ聞こえてきそうではないか。 (エピソードはタイ・カップの自伝『野球王タイ・カップ』から引用)。
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