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本来ならば、このシーリーズ第1回目で紹介しなければならない「言葉」だった。
なにしろこれを発した人が、ゴルフ生誕の地で行われた世界最古の競技、 全英オープンで2回目から、通算4回も優勝している プロゴルファーの始祖的人なのだから。
しかし、あまりにこの言葉は知られているので、 いまさらという気持ちがあったのだが、それはそれとして、 やはりトム・モリスのことは記しておかねばなるまい。 というわけで――。
文字どおり、パットでは「とどかなければ、入らない」のである。
後年この言葉に「百年経っても」の形容句が入るようになった。 つまり、とどかなければ、百年経っても入らない」というふうに。
どんなにいいストロークをしても、 カップにとどいてくれなければ物理的に絶対にカップインしない。 これは真理だ。
ストロークが強すぎて、結果的にボールはカップを通りすぎても、 少なくともカップまではとどいたのだから、 入る可能性は『あった』ということである。
だから強く打って失敗しても悔いは残らないが、 入る確率ゼロパーセントのとどかないパットは一生悔やむことになることもあるのだ。
そんなことは自明の理であるのだが、 いざその場合になるとそうはいかないのが、人間なのである。
これは初の100を切るというケースのアベレージゴルファーでも、 超一流のメジャーを争うゴルファーでも、 感情的レベルでは同じなのである。
とどかない原因の大半の理由は、いわゆるチョークというやつだ。 あと1メートルを入れれば目的が叶うというとき、 心身が金縛りにあい、ショートして敗れ去ったゴルファーを何度、 私達はみてきたことであろうか。
ネバーアップ! ネバーイン! この単純な言葉のなかに、ゴルフの深淵がのぞいている。
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