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中部は寡黙の人であった。 プライベートで仲間達とまわっていても、自分からレッスンなどしなかった。 訊かれてはじめて、短いながら適切なアドバイスをおくるという按配であった。
だから、公式の場などで自分のことや、 名言といわれるような言辞を呈したことはないはずだ。
しかし、酒がはいると(若い頃は飲まなかったが)、談論風発、 ゴルフ談義はとどまることはなかった。 だから残ってる言辞は、とくに後半生では、 酒席でのものと思ってまちがいない。
だがこの冒頭の言葉は例外で、 世界アマ監督として、合宿してたときに発したものだという。
中部は日本アマ6勝という戦績を残しながら、 ホールインワンは一度として、ない。 なぜか? 答えは、ピンを狙わないからである。
なに?! ピンを狙わないって? 誰もがそんな疑問を発するに違いない。
それはこういうことだ。 中部は次のことを必ず考えてショットをする。 だから、パー3では、パットのしやすい、 簡単なライン・傾斜のサイドに打つのである。
上りのまっすぐなラインが残る サイドがピンのそっぽでも構わず、そこへ打つ。 ピンに近いかどうかを競うのではなく、 次のパットをいかにカップイアンさせるかが肝心なことを熟知しているからである。
ましてその頃のグリーンは受けていることが多かったので、 ピンをオーバーなど決してしない。
ならばホールインワンの機会は減るわけである。含蓄ある言葉であろう。
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