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正確にいえば、エバンスの母親の言葉である。その経緯を記そう。エバンスは幼少の頃から家計を助けるために、ゴルフ場でキャデイを始め、同時に自らもゴルフの魅力にとりつかれ、ボールも打つようになる。
16歳でシカゴジュニア選手権で優勝。その後、全米オープンに2度惜敗した後、1916年全米アマに勝ち、なんとその年、念願の全米オープンまで勝利する。
その頃、ゴルフの関心をもつジュニアゴルファーのために、レッスンのレコードを製作するのだが、これが爆発的に売れてチックには5千ドルの印税が舞い込むこととなる。しかし、エバンスはアマチュアなので規定に抵触するおそれがあるため、母親に相談する。そこで母親がいった言葉が「ゴルフで得たものは、ゴルフに返しなさい」である。
母親の助言どおり、チックは全額をウェスタン・ゴルフ協会経由で供託基金にした。13年後、その金は利子が積もり、1万2千ドルとなり、そこでエバンスは自分の経験から、貧しいキャデイ少年のための「チック・エバンス奨学金」を設立するに至るのである。
そしてこのニュースを聞いた一般の人達からも寄付が集まり、その金額は100万ドルに達した。この奨学金によって1万人もの少年が大学へ進学することができ、そのなかから最高判事や、大学教授など社会的指導者となる人材を多く輩出したのである。アメリカのゴルフがボランティアやチャリティーなどのイメージがあるのも、エバンスのこの行為が下地となっていることは想像に難くない。(「チョイス誌 NO.145」より抜粋構成))
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