ゴルフの図書館

BOOKS19番ホール

2008.3.3

「飛ばしたかったら体は回すな、腕で突け!」

「ボディターン」理論が全盛となって以来、
体を回すスウィングが「常識」のように思われているが、
「その考えはとりあえずどこかに置いておけ」というプロがいる。
若林貞男。その名を聞いてピンとくる人は多いだろう。
かつて1980年代に飛距離を大きく伸ばす理論として
ゴルフ界で大きな話題となった「Z打法」生みの親だ。


「GOLF300ヤードの法則」
「GOLF300ヤードの法則」
若林貞男・著
●B6判・上製・288ページ
●定価:1575円(税込)
●ゴルフダイジェスト社

 若林プロが唱える「Z打法」の登場は衝撃的だった。
「Z」とは、アルファベットの最後の文字。すなわちこれは、「究極の理論」だというのだ。
 実際にプロやトップアマに信奉者が急増し、その理論は瞬く間に広がった。アベレージゴルファーにも支持を受け、若林プロは89年のレッスン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。


 そして2008年、「Z打法」は現代に甦った。若林プロの久々の著作となった「GOLF300ヤードの法則」が発売されたのだ。
 近年、クラブの進化は目覚ましいものがある。様々な機能が次々と取り入れられ、アマチュアゴルファーでも、楽に飛ばせるようになったのだ。
 しかし一方で、飛距離が伸ばせるはずの最新クラブを使っても飛ばずに悩む人も少なからずいることは確か。そこで若林プロは、悩み多きゴルファーに、最新クラブの機能を引き出す、スウィングの「新常識」を説いている。


 若林プロが一貫して教えるのが、「クラブは突け!」という理論。
 腕と体を一緒に回して振てもヘッドスピードは上がらない。腕と体はむしろ逆方向に積極的に使う。さらに体の動く部分と止める部分のメリハリをつけることで運動の連鎖反応が起き、スウィングのスピードが上がっていくという。
 そのために重要なのが、「突く」動作。その方法を「作用・反作用」の考え方、右手と左手の使い方、軸足と蹴り足でパワーを引き出すフットワークなど、様々な角度から解説している。




パワーを引き出すには、左右の股関節と肩関節をXで結ぶ
ように体幹を使うイメージをもつことが大切だという


 右の写真にあるような、「クロスXのイメージで体を使う」などという教えも、最近ゴルフを始めて体と腕を一体化させて振るスウィングを実践しているゴルファーにとっては、驚きであろう。
 若林プロのスウィングシステム「Z」は、それだけ衝撃的なのだ。


 さらに、同書で興味深いのは、「ドライバーとアイアンでは構え方、打ち方が違う」と説明している点だ。
 よく「スウィングはひとつ」と解説するレッスンもあるが、若林プロは、明確に2つは違うと断言し、しかも明解に「スウィングシステムの違い」として解説している。


 その違いは、実に明確だ。アドレスは「ドライバーは右から、下から」「アイアンは左から、上から」決めるといい、振るイメージは「オープン原理」「クローズ原理」の違いがあり、さらには若林理論の根幹「突き」ポイントも「右足前」「左サイドのライン」という、ドライバーとアイアンでは異なったシステムになるという。
 ここまではっきりと語ったレッスンは、これまでほとんどといっていいほどなかったのではないだろうか。


 明解な理論で語り尽くしているスウィングの「新常識」の数々。ぜひ実践してほしい。


ページ上部へ