
2007.8.6
宮里藍、横峯さくら、諸見里しのぶ、宮里美香、金田久美子、伊藤涼太、そして石川遼、薗部峻輔…。近年、ジュニアゴルファーとして優秀な成績を挙げ、話題となるゴルファーが次から次へと出現してくる。「底辺拡大」が叫ばれてきたゴルフ界にとっては実に喜ばしい話だ。
しかし、我々の頭の中には、「一流になれるのはほんの一握り。やっぱり選ばれた者だけなんだよ」という考えがある。確かに、ジュニアゴルファーが圧倒的な勢いで増えている中でも、常に成績上位で活躍したり、後にプロになる子供たちはそれほど多いわけではない。タイガーのような「天才」と言われる人間は、そうそういないだろう。「天才」は、やはり選ばれた存在なのだ、と実感する。
ところが、最近話題となっている教育本「天才は10歳までにつくられる」(ゴルフダイジェスト社刊)の著者、横峯吉文氏によると、「子供みんなが、好きなことの天才になれる」のだという。子供は皆、好きなことにおいて一流になれる素質があるというのだが…。
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この本の著者、横峯氏は、その姓を聞いてすぐに連想されるとおり、プロゴルファー・横峯さくらの伯父さんにあたる人だ。もっと言えば、先の参院選で当選した「さくらパパ」横峯良郎氏の兄。鹿児島県で3つの保育園など、幼児教育施設を経営展開する教育者で、その教育法が「ヨコミネ式」として、全国の教育現場で採用されるなど、著名だ。
保育園に入りたての3歳児から何百冊もの本を読んだり、「ヨコミネ式95音」でたくさんの文字を書いて覚えるなどの『読み書き』、小学生に上がるまでにはほとんどの子供が足し算・引き算はもちろん、掛け算・割り算まで覚えるという『計算』、逆立ち、ブリッジ、跳び箱など、小学校低学年生でも難しい器械体操をいとも簡単にこなすなどの『体操』を3つの柱にした教えの素晴らしさは、本の中に登場する子供たちがとても生き生きと育っている様子から、実によく伝わってくる。
とはいっても、この「ヨコミネ式」教育が実践しているのは、いわゆる「スパルタ」や「詰め込み」といわれるような教育ではない。横峯氏は、「子供たちが『自学自習』できる環境を整えてあげることが一番」なのだと語っているように、子供が自ら学び、育っていく教育法なのだ。
「ゴルフ[ジュニア]ブック」
ゴルフダイジェスト社・監修
●B5判・並製・112頁
●1000円(税込)
●ゴルフダイジェスト社刊
できることはおもしろい。
おもしろいから練習する。
練習すると上手になる。
上手になると大好きになる、
そして次の段階に行きたくなる。
この繰り返し全ての子供は一流に育つ。
(「まえがき」より)
こんな教えから、子供たちは自分にとって「おもしろい」ことに夢中になり、自ら成長していく。「好きなこと」がたまたまゴルフだったとしたら、、その子供はゴルフの一流に育つ、というわけだ。
そういえば、藍ちゃんはじめ、話題となったジュニアゴルファーの姿を見たり、話を聞いたりしていても、その子供たち自身「ゴルフ大好き!」という様子が、とてもよくみてとれる。「ハニカミ王子」と言われる、石川遼くんの爽やかさなどは、その象徴ではないだろうか。
「ジュニアゴルフ」
新井真一・監修
●B5変型判・並製・160頁
●1365円(税込)
●池田書店刊
ジュニアゴルフが盛んになったことによって、「子供と一緒にゴルフをしよう」ということだけでなく、「子供をプロに育てたい」という親が増えてきている。そのための指南本もここ数年、出版されることが増えているが、「ゴルフ[ジュニア]ブック」(ゴルフダイジェスト社刊)にも、「ジュニアゴルフ」(池田書店刊)にも、まず大切なのが、「子供たちが楽しみながら、しかも集中力を切らさずに興味を持ってゴルフに取り組むことができる環境を、教える大人が整えてあげること」だと解説されている。
この夏休み、練習場でも、ラウンドでもいい。はたまた、ゴルフトーナメント中継の観戦でもいい、一度子供と「ゴルフ体験」をしてみてはどうだろう。
すると、「子供にゴルフを教える」ということだけでなく、教える我々大人自身も、改めて「ゴルフ大好き!」と思えるきっかけになるかもしれない。
既に頭が固くなった我々は、子供たちのように「一流」にはなれないかもしれないが、もしかしたら、「0.5流」くらいは目指せるかもしれないな。
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