
2007.7.17
私にとって久々のラウンド。半月も前から指折り数え、練習はもちろん、就寝前のイメージトレーニングとクラブ磨きに精を出していたのに、突然の台風来襲。それでもまだ台風本体は遠いとあって決行したものの、強い雨風にやられて……。
ハーフターンで「やっぱり中止にすればよかったなあ」と意気消沈する私に、仲間の一人が言った。「なあに、全英オープンに出たと思えばいいんだよ。テレビで見ただろ。プロ気分でやろうや」。そんなひと言に我々は単純に盛り上がり、厳しい条件の中でも“全英気分”でラウンドして帰ってきた。
そういえば今週は全英オープン。並み居るトッププロが顔をしかめてプレーする「世界一過酷な我慢大会」が、いよいよ始まる。全英の歴史と貴重な写真が収められている「セントアンドリュース&ジ・オープン」をめくりながら、遠きスコットランドへ思いを馳せた。
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全英オープンは今回で136回目。全英の開催コース中、もっとも難度の高いリンクスといわれるカーヌスティが舞台。そこでで開かれた前回99年最終日・最終ホールでのジャン・バンデベルデの悲劇を語るまでもなく、全英の歴史は、プロたちのタフな戦いの歴史でもある。
ピンが折れそうになるほど強く吹きすさぶ風。落ちどころによっては、ボールがどこへいくかもわからないほど硬く締まった地面。そしてそのボールを待ち受けるとてつもなく深くバンカー群。「あるがまま」のコースで、「あるがまま」にプレーするのが全英のゴルフとはいえ、プロたちは、「ゴルフの神様はなぜここまで過酷な試練を与えるのか」と呪いたくなることだろう。
「ゴルフコース好奇心」
マサ・ニシジマ 著
●B6判・上製・256頁
●1785円(税込)
●ゴルフダイジェスト社刊
とはいえ、まったくの「あるがまま」の自然に見えるリンクスコースも、実は様々な設計理論と、ゴルフゲームをエキサイティングにする工夫によって成り立っているという。「ゴルフコース好奇心」(ゴルフダイジェスト社刊)を読むと、ゴルフコース設計の基本となる「ルーティング」や「ランドスケープ」の考え方から始まり、グリーン、フェアウェイ、ラフ、ハザード類、さらにはそれらを自然との融合の中でいかに配置していくのがいいコースか、戦略的なコースか、といったことが、数多く語られている。
全英だけでなく、4大メジャーで使われるコースが、それぞれ名コースと謳われる所以がそこにはあった。テレビでのメジャー観戦から、自分がラウンドする際のコースの見方や攻め方までが、よくわかってくる「コース知識の宝庫」といえるものだろう。
今週の全英観戦も、これでさらに面白くなりそうだ。プレーの技術とともに、自然やコースとの戦いに誰が勝つのか、誰が悲劇の主役となってしまうのか、興味は尽きない。
それにしても、コースの何たるかも知らずに、風雨の中のゴルフを「全英に出たと思って……」などと浮かれていた我々。ちょっとプロに失礼だったのではあるまいか。
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