ゴルフの図書館
BOOKS 19番ホール
2006.2.17

こんなとき、どうする?


『ゴルフ54ビジョン』


 今年、40歳を迎えようとしている私は、いまだ、運命の人との出会いを待ち続けている。かれこれ、20年。この人だ! という期待は、何度裏切られたことだろう。ある人は押し付けがましく、別の人は私の可能性を信じてくれず、また褒めちぎるだけ褒めちぎりながら、数日後の再会で、「はじめまして」と声を掛けてきた無礼者もいた。ああ、理想のあなた、一体どこへいるのだろう……。


『ゴルフ54ビジョン』
ピア・ニールソン/川野美佳・訳
●B6判・並製・本文232頁
●1575円(税込)
●ゴルフダイジェスト社刊




 運命の人、つまり、私の「ゴルフ」を変える、理想的なインストラクターを私は探し続けている。

『ゴルフ54ビジョン』(ゴルフダイジェスト社刊)には、自分に相応しいインストラクターとは、どんな人であるかが記されている。著者は、5年間賞金女王の座を守り続けるアニカ・ソレンスタムのコーチ、ピア・ニールソンだ。

 彼女のいう、運命の人(自分に最適なインストラクター)のあるべき姿とは、
★「ここを直せば、問題はすべて解決する」といった速効性を強調しない
★性格、スポーツ経験や目標に合わせて指導方針を考えてくれる人
★練習場だけでなく、コースでの状態を知ろうとする人

 要するに、練習場でどんなに理想の球を打っても、コースでそれを出せなければ意味はない。その場凌ぎの付き合いしか出来ないようでは、運命の人とは呼べないのだ。

内藤雄士のシンプルゴルフ

『内藤雄士のシンプルゴルフ』
内藤雄士
●四六判・上製・本文280頁
●1575円(税込)
●日本経済新聞社刊

 さらにピアは、「ゴルファーによって指導法を変える必要がある」とも言っている。

 そうした意味で、『内藤雄士のシンプルゴルフ』(日本経済新聞社)を読むと、内藤コーチが、選手の個性を巧みに見い出していることがわかる。

 丸山茂樹、伊藤涼太、小達敏昭、矢野東、平塚哲二、小林正則……と今まで指導してきた多くのプレーヤーについて、ひとりひとりのスウィングの傾向やプレーに対する意識などを記している。

 そうした彼らの個性を踏まえた上で、内藤プロは各々に最適な指導法を選択してきたのだ。前述したピアのいう――体型だけでなく、性格に合ったスウィング――を導いている。

 これを参考に、私はコーチを頼むと、その人が別の人を教えている様子を必ず観察する。すると、私が言われたことと、まったく同じことを別の人にも言っていたりする。

 運命、という言葉が音を立てて崩れるのは、こんなときだ。そのコーチにとって、私の個性など、どうでもいいのだ。

 本当に運命の人なんて、いるのだろうか。幾度となく、疑問はわく。しかし、『普通のサラリーマンが2年でシングルになる方法』(日経ビジネス人文庫刊)を読むと、維持でも探し出したくなる。

 著者の山口信吾氏は、43歳からゴルフを始め、10年ほどでハンディ10になった。ハンディは10止まりか……とあきらめかけた57歳、彼は運命の人、三浦佳世子プロに出会った。

 彼女に一目惚れをし、弟子入りして2年。彼は念願のシングル入りを果たしたのだ。本書にはその過程が描かれている。

 やはり、私には運命の人が必要だ。シングル……とまではいかなくても、80の壁を越えたい。

 

普通のサラリーマンが2年でシングルになる方法

『普通のサラリーマンが2年でシングルになる方法』
山口信吾
●A6判・並製・本文304頁
●680円(税込)
●日経ビジネス人文庫刊

――「あなた、あなた!」
 階下から妻が私を呼んでいる。「なんだよ!」ぶっきらぼうに私は返事をした。

「隣街のディスカウントショップに行ってきてくれない?」
「はあ?! いま忙しいんだよ!」
「マロン(ペットの犬)の餌が切れちゃったの! 隣街まで行かないと売ってないのよ! 私車運転できないし!」

 人に頼みごとをするのに、叫び声をあげて済ませるとはものぐさだ。二階まで上がってこい! まったく……。

……トン、トン、トン、トン……(近頃階段の段差がきつくなったな)
「じゃあ、行ってくるよ」
「2袋お願いね」

 一人で車を走らせながら、俺の都合などお構いなしの妻に文句をたれる。あいつにプロポーズしてしまった俺は、本当に勘がにぶっていた。しかし、離婚となると、面倒だ。

 妻という運命の相手は、選択を誤ったようだが、もう取りかえしはつかない。だからせめて、ゴルフでは運命の人を何としてでも見つけたいのだ。


 

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