ゴルフの図書館
BOOKS 19番ホール
2005.12.2

女は度胸のメンタルレッスン


『魂のレッスン』


「女は度胸よ」
 ゴルフを始めた彼女が、めきめきとスコアを伸ばしていくので、練習の秘訣を聞いた。その答えがこれだ。以前は「男は度胸、女は愛嬌」と言っていたけれど、最近ではもっぱら逆のパターンが多いようだ。
 しかし、ゴルフで度胸とはどういうことだろう? 彼女のプレーを観察しながら、考えてみることにした。


『魂のレッスン』
清元登子
●B6判・上製・本文256頁
●1575円(税込)
●ゴルフダイジェスト社刊




「あ〜ぁ、ラフに入っちゃったね」
 ティショットをいい位置に飛ばした彼女だったが、セカンドショットでグリーンを外し、ラフに入れてしまった。短いパー4で、上手くいけばバーディを取れていたかもしれないのに惜しい。思わず僕がため息をもらすと、彼女は首をかしげる。

「何があ〜ぁ、よ。グリーンに乗せていたらバーディのチャンスがあったけど、ラフからに入ったら無理だって言うの? むしろ、チップインバーディを決めた方がカッコイイじゃない」

 言うのは簡単だが、可能性は低い。ところが、彼女は見事にそれを成功させ、バーディを取ってしまったのだ。

「ほら、みなさい。果敢にチャレンジする人に、運は味方をするのよ。ふふふ、実はここ数カ月、アプローチの練習を熱心にやっていたの。その成果がいま、実を結んだってわけ」
「へえぇ〜」
 なるほど、これが「度胸」というやつか。怖れいった。

清元登子プロの『魂のレッスン』(ゴルフダイジェスト社刊)の中に、――ミスしても、腐らず、背筋をスッと伸ばして次のショットに向かってごらんなさい。案外うまくいくものですよ――ってアドバイスがあったの」

「でも、ミスしたら落ち込んじゃうな」
「だからこそ、――せめて姿勢や歩き方、歩く速度を変えないようにしたい――のよ。気持ちが沈んでも、出来る限り、リズムを崩さないようにすることが大切なんですって」

「姿勢と歩き方ぐらい、ね。僕も参考にしてみるよ。たしかにミスした暗い気分で、だらだら歩いて次のショットに向かっても、いい球は出ないものな。リズムが崩れているからだね」

ゴルフ アッコの秘密

『ゴルフ アッコの秘密』
福嶋晃子
●B6判・並製・本文224頁
●1575円(税込)
●日刊スポーツ出版社

「それに、福嶋晃子プロの『ゴルフアッコの秘密』(日刊スポーツ出版社刊)にも、プロとアマチュアの違いは『気迫』だって書いてあったわ。パーを取るにしても、パットを沈めるにしても、成功できたらいいな、ではなくて『寄せる』『入れる』っていう気迫が必要なんですって」
「でもプレッシャーになっちゃうんじゃない?」

「でも、でもってあなたって本当に内向的な性格ね。中途半端に寄せたい『なあ』と思うよりも、絶対に寄せるんだ、って強く思った方が、必要なことが見えてくるはずよ。たとえばルーティンでリズムを思い出したり、スウィングを確認したり、何より球筋をイメージしたりってことよ」

「君、ゴルフを始めたばかりなのに、向上心はシングル並だね」

「ふふ、さっきの『魂のレッスン』に――無謀とチャレンジは違う――って書かれていたの。いいスコアを出すためには、フェアウェイキープだとか『安全第一』が肝心だろうけど、ゴルフを楽しむためには――たまには失敗しても構わないぐらいの冒険心を持ってやってみること――だって。それでミスしても、『これがゴルフ』って思えばいいって」

「要するに、ラフやバンカーに入れることも、ゴルフの面白さのひとつと考えればいいわけか」

東尾理子のファッショナブルGOLF

『東尾理子のファッショナブルGOLF』
東尾理子
●A5判・並製・本文128頁
●1470円(税込)
●PHP研究所刊

「そうよ、東尾理子の『ファッショナブルゴルフ』(PHP研究所)を見てもわかるけど、女性はファッションだとか、上手下手にかかわらず、ゴルフを楽しもうっていう心がけが大きいのよ。その前向きな気持ちの結果として、プレーも向上するんじゃないかしら」

「でもスコアを伸ばしたいって思うと、そう気楽にはいられないな」
「はい、また『でも』って言ったわね。気楽じゃなくて、好奇心よ。さっきのチップインバーディだって、アプローチの練習を集中してやってきたっていう裏付けがあるのよ。練習の成果を試したいっていう好奇心から前向きに冒険して、成功できたんだわ」

「でも、っといけね、いくら練習していたとはいえ、グリーンに乗せた方が楽だものな。僕は間違いなく、同じ状況で、『ちぇっ』と舌打ちしてしまうな」

「あなたがいつまでもスコアを縮められないのは、グリーンに乗せられなければ、二度とゴルフが出来ないような過剰なプレッシャーを背負って、それが原因に力んで外せば、がっくりとしてしばらく立ち直れず、そのままふて腐れて次のショットも失敗する。どんどん、スコアは悪くなる。度胸もなければ、ゴルフを楽しもうっていう愛嬌も感じられないわ。まずはその、『でも』の口癖をなくすことね」

「(でも)俺の方がスコアはいいのになあ」
「いま、心の中で『でも』って言ったわね?」
「うう……」


 

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