「それじゃ、キミ。まずは目をつぶってスウィングしてごらんよ。そうそう、いつもの構えで目を閉じてさ。
あれ? ずいぶんぎこちないんじゃない? さっきまで自画自賛していたスウィングはどうしたのかな? 理由を教えてあげよう。キミのスウィングには流れがないんだよ。
『新モダンゴルフ第2巻』を読んでみるといい。君と同じように、格好だけ一人前のヤツが出てくるから。
『新モダンゴルフ』は江連忠の理論を解説したレッスンコミックなんだ。登場人物たちが読者になりかわって、江連プロから上達の秘訣を教えてもらう。一話完結のストーリーだから、問題点や解決法も明快だし、初心者にも理解しやすいと思うよ。 それで、君にそっくりな奴だけど、やっぱり目を閉じると動きがにぶくなって、途端に形が崩れるんだ。江連プロによれば、『自分のリズムを持っていない』からだそうだよ。 いい球を打ちたいなら、形だけじゃなく、自分のリズムを発見することが重要なんじゃないかな。 漫画を読むと、メトロノームの音に合わせてスウィングしたり、歩きながら連続打ちをするといった、自分だけのリズムの作り方が書いてある。 まだ読んでいないのは、惜しいなあ。第2巻には、ゴルフの基本5カ条や、サラリーマンがシングルになる方法、つまり短い時間で効率よく練習するための方法なんかも載っているんだ。 そういえば、毎回出てくる奴も君に似ていたな。なに、ちょっとそそっかしくて、へまばかりして……あれ? 気に障ったかな?」
「あ〜あ。あなたが無神経なこというから、怒ちゃったじゃないの。女性はデリケートなのよ。もっと親身になってアドバイスしてあげなくちゃ。私だったら、伊沢利光プロの父親、伊沢利夫さんの著書『伊沢利光超長打育成術』(講談社刊)をお勧めするわ。 伊沢プロのスウィングって、プロの中でも、抜きん出てキレイよね。そのスウィングに到達するまでの、伊沢プロが重ねてきた練習メニューや、エピソードが綴られているの。 形態模写なら、極端な話、ゴルフをしない人だって出来るわ。プロのスウィングは自分のスウィングの土壌を作ってから、そこに上手く取り入れていくことが大切なんじゃないかしら。見た目が美しい建築物も、骨組みがしっかりしていなければ、すぐに壊れてしまうものね。 あらあら、ますます肩を落としちゃったかしら。ごめんなさいね。プロの動きを観察すること自体は悪いことじゃないんだから、気を落とさないで。 伊沢プロもあなたみたいに、トッププロのスウィングを研究していたそうよ。この本の中に、伊沢プロ流の分析方法も書かれているから、参考にしてみたらどう? 単なる形態模写から前進できると思うわ」
「ちっ、ちっ、ちっ、ちっ、二人とも甘いんだよ。リズムを発見しても、本番で発揮できなけりゃ意味がないだろ。コースでリズムを見失わない方法まで教えてやらなくちゃ、また泣きつかれるぞ。 お前もちょっと嫌味言われたぐらいでくよくよするなよ。ゴルファーは打たれ強くなくちゃスコアは伸びないぞ。ミスの度にそうやってへこんでたら、挽回のチャンスを逃すだろうが。
まあ、いいや。困った時は、綾子さんだよ。『LESSON!』(ゴルフダイジェスト社刊)は、最近殿堂入りで話題になった、岡本綾子さんのレッスン書だ。クラブ別にスウィングのポイントを解説してくれている。 グリップを握る強さを、おシボリに置き換えて表現したり、綾子さん流の例えで、イメージを描きやすいのが特徴だな。曖昧な表現ってあるだろ。若干弱めとか、徐々に強くとか、そういうのが、すぐにピンとくるんだ。 なに? 早くリズムを保つ方法を知りたい? お前はまったく、せっかちだな。その慌て過ぎるところがプレーにも悪影響を及ぼすんだぞ。 いいか、まず朝イチショットで、自分のリズムを確かめるそうだ。いつもより下半身が硬いとか、ボールが目標より10ヤードぐらい曲がるとか、体と打った球の調子をよく観察して、コース攻略を組み立てていくようにするんだ。 スライスが頻発する日にまっすぐばかり狙ってたら、イライラしてリズムが崩れるもんな。いやあ、的を得たこと言うねえ。 次に、リズムを作るための工夫と、それが狂いだした時の立て直し方を教えてくれている。たとえば決まったルーティンを作るのも、ひとつの手だそうだ。 やっぱりさ、『形』ばかりを追っかけても、『中身』がなくちゃダメなんだよ。さっきの江連プロの漫画にもあるけど、気持ちよく振ったときに、自然に芯に当たっちゃう。そんなリズムを目標にするのがいいんじゃないかな」 |
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